なぜ秋に身体の調子が悪くなり、アトピーがひどくなり始めるのでしょうか?
それは、肌が乾燥し始めるからです。
肌の潤いの低下は痒みの元です。皮膚が乾燥すると痒みを感知する神経線維が表皮にむかって伸びるので痒みを感じやすくなるためです。
ではなぜ、秋に肌が乾燥し始めるのでしょうか?
まず、この季節における身体内部での変化があります。
そして、空気が夏と違って変化します。
だから、肌がどうしても潤いをなくして乾燥してしまうのです。
では、身体内部でどのような変化があり、それが肌の潤いを減らすのでしょうか?
東洋医学を根拠にして解説しましょう。
つまり、秋は肺が乾燥するのです。そして、肺と肌はつながっている、関連しているのです。
通常、肺には湿り気があって、肺がポンプのように全身に湿り気を送っているのです。
この肺が秋になって乾くのです。だから潤いが全身に、そして皮膚に浸透しなくなります。
よって、秋の肌は乾燥してしまい、痒くなるのです。
そして、さらに夏と違って秋の空気は湿気がありませんから、余計に皮膚はカサカサしてしてしまうのです。
ですから、スキンケアでの保湿でお肌にたっぷり水分を与えてくださいね。
私は毎日のようにアトピーのお悩みをお伺いするため面談していますが、「スキンケアをしていません」「脱保湿をしています」といわれる方が多いです。
とんでもありません。
よく、スキンケアをし過ぎると肌が怠けるから保湿も良くないという意見を聞きますが、アトピー肌は事情が違います。
アトピー肌の特徴は極度の乾燥です。
だから肌が赤くなっていますし、痒くなるのです。
掻き壊して炎症を繰り返すと、そこが色素沈着になりやすい。
ですから、1にも2にもスキンケアです。
化粧水だけでいいですから、こまめに塗って肌に潤いを与えましょう。
スキンケアについては
必読関連記事⇒アトピーに有効な保湿の仕方とは?をお読みください。
秋はアトピー対策がやりやすい季節です
夏はどうしてもアトピーが悪化しやすい季節だと思います。
湿気が多いので乾燥には無縁だから過ごしやすい季節だと思う人もいるでしょう。
ですが、汗のせいで掻き壊してしまって、炎症がひどくなる、そんなピンチが夏の特徴でもあります。
だからこそ、冬ほど大気が乾燥しきっていない秋-10月はアトピー肌にとって、ちょうどいい環境なのです。
アトピー肌にとって室内湿度が約60%を下回ると肌の乾燥が進みます。
そこで11月は60%、12月は53%と屋外湿度は低下していきます(東京の年平均の場合)。
ましてや、会社のオフィスや教室、車内や店舗内では暖房が入っていますから、アトピーにとって辛い状況になります。
だから、他の季節と比較して条件の良い10月はアトピー対策がしやすいのです。
本格的な冬の季節を前に、さらに排毒の季節-春の悪化を防ぐためにも、この時期にアトピーに向き合いましょう。
NPO法人 日本成人病予防協会会員 渡辺勲
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