アトピーを理由に仕事を休んでも良いのか?

車のネオン
「アトピーを理由に仕事を休んでも良いの?」

このように考えてしまう、アトピーの方は多いものです。

そのお気持ちはよくわかります。

なぜならば、歩けるし、パソコンの操作くらいはできるからです。

でも、アトピーは寝込むほどしんどくて、苦しくなる病気です。

ですから、しんどければ「仕事休みたいです」と会社に言うことはできます。

病気になって、医師から手術や療養をすすめられて、仕事をしばらく休むことは私たちの権利としてあるでしょう。

病気になり治療に専念したくて、会社を休むのはアトピーであってもありえます。

けれど、「アトピーだから、それだけで仕事を休めるのかな?」と考えてしまう。

「どうして? アトピーを理由に仕事を休むかどうかなんて本人が決めれば良いことではないの?」と、思われるだろうが、私たちアトピーはそうもいかないのです。

アトピー患者からすれば仕事を休むかどうかについて、独特のためらいがあるからです。

どうして、アトピー患者は、アトピーを理由に仕事を休む、あるいは退職することに、ためらってしまうのでしょうか?

その理由は、3つあります。

それぞれ、解説していきます。

会社が理解してくれないと想像してしまうから

会社がアトピーに理解がなくて、「薬を塗れば治るのではないか?」と言ってのけられたら、とても辛いですよね。

それを思うと、休みたいことを言い出せなくなります。

実際、人手不足などを理由に会社が休むことを許さないかも知れません。

そうなれば、このように上司はあなたに言うでしょう。

「皮膚科へ行ってる? 薬を塗るのを嫌がってはダメだよ」

「みんなしんどい想いをしてるんだよ。急に休まれては困る」

「薬を塗れば治るよ」

「頑張ってくれないかな」

こういうふうに言われることが想像できたなら、当然、休むことに躊躇してしまいますよね。

世間ではアトピーは薬を塗れば治ると、かんたんに片づけますからね。そんなわけないのに

「いいえ。私はステロイドを塗りたくないし、塗っても治りません」

「いや、塗るしかないだろう。皮膚科の言うことを聴いた方がいいぞ」

だなんて、職場でステロイドの是非をめぐる論争なんて、ごめんですよね。

だったら、しばらく続けようか。となります。

誰かの役に立ちたい。だから会社に残りたい

「誰かの役に立たない自分は価値がない」といった強い想いが、休むという判断を遠ざける場合もあります。

私が相談に応じてきた多くのアトピーの方々は、我慢強い人が多かったです。

どんなに深刻な問題であっても「私には問題ないです」と、軽く受け流すことをされる方も多いのです。

「最近、ましになりましたから」「すこし良くなった感じがするので」と、自分の過酷さを軽く評価する傾向もみられます。

だから、たとえしんどくても「もう少し、頑張ってみようか」と結論を出してしまう。

結果、どんなにつらくても休暇を会社にお願いすることは、しないのです。

さらにアトピーで仕事を途中でやめるのは「自分の弱さ」を暴露してしまう感じがして、休みたくても休めない人も多いです。

「『いつも明るくて元気ですね』と、言われるのが嬉しいのです」と、言われるアトピーの方も少なくありません。

他人の評価が自分の価値を決めると強く信じていたら、ますます苦しい気持ちを隠して勤務に励んでしまう。

これでは、とても休めないですよね。

あと少しでアトピーが治るかも知れない

とてもアトピーがひどいのに、こんなことを言う方もおられました。

「会社を休んで家で過ごすと、張り合いが無くなってアトピーが悪化すると思うのです」

しかしながら、半年経過してもアトピーは治らなかったのです。

「来月になれば治るのではないか?」

「季節が変われば治るのではないか」

といった具合に考えては、「仕事を続ける」決断をしてしまう方もいます。

そして「勤務を休んで家にいても治るとは限らない」と、ここまで思考を展開してしまう。

仕事による心労を耐えながら、職場の乾燥した空気に辛い思いをしながら、勤務を続けてしまう。

けれど、乾燥の季節がやってくる。春の悪化しやすい季節がめぐってくる。夏の汗をかく季節がやってくる。そして乾燥の秋、冬がめぐってくる。

そうしてアトピーが癒える機会がないならば、ステロイドで抑えるしかありません。

けれど、ステロイドで抑えていたものが、どーんと噴き出る時が来たならば、仕事を休まざるをえなくなるでしょう。

そして、その時は、治療にかかる時間は長くなるはずです。

ならば、早い目に仕事を休んだ方がいいのではないでしょうか?

ステロイドで症状を抑えて、今を乗り越えようとしている方へ

アトピーを耐えながら勤務しているけど、急に悪化してしまうケースは珍しくありません。

もう、そこまでいくと会社を休むのは自然です。他の病気なら、もうとっくに休んでいます。

しかし、アトピーがとても激しく悪化しているのに、「家にいても治るとは限らないから」「来月、治ると思います」と、なかなか休まない方は、ほんとうに多いのです。

くりかえし言いますが、他の病気なら休んでいる状態です。

けれど、アトピーの場合、ひどい状態でも「できるだけ休まない方向で行こう」と考えてしまうのです。

いま、直面されている苦境を薬で抑えて、ご自身を駆り立てようとされているあなたへ。

その代価は確実に支払わなければいけない時が来ることを忘れないでください。

ステロイドの場合、いつの日か薬効が薄れてくるときが来ます。

ステロイドを塗っても効き目が薄くなる日が来た時、もう仕事を続けたくても続けられなくなります。

どうか、仕事に没頭することで、自身の辛さを麻痺させようとはしないでください。

アトピーが難治化して、その仕事すら出来なくなるかも知れないから。

仕事だけが、あなたの唯一の価値ではないはずだから。

仕事を休む、辞めたとしても、あなたの価値が減ってしまうことはありませんから。

仕事をアトピーを理由に休む、辞めてもそれは周囲に迷惑をかけることではないですから。

アトピーは病気なのです。病気を患う人が出てしまうのは、会社として織り込み済みのはずです。

社員が病気で休む、辞めることは会社からすれば想定しなければいけないことです。

仕事を休む、辞めることは「みんなの迷惑だ」と思わすのは社員に滅私奉公させるための思うつぼです。

周囲に迷惑をかけるのでは? と思われるのでしたら「私は何のために生きているのだろう」……そう自分に問いかけてみてください。

決して誰かの、組織の理想のために生きてはいけない。

あなたの身体は、あなたのものだから。

「もう、アトピーなんてうんざりだ」「仕事に全力で打ち込む私になりたい」とお感じでしたら、こちらのページも参考にされてください。

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