アトピーのお子さんをお持ちの親御さんへのメッセージ

アトピーのお子さんをお持ちの親御さんからの電話相談が多くなりました。

毎晩、かゆみを訴えるわが子を見て、「これからどうなるんだろう」と思い悩んでおられるご様子なのです。

子育ては大変です。さらにアトピー性皮膚炎を患うことで、そのご心労は大きくなるでしょう。お気持ちお察しいたします。

皮膚科に行けば必ずステロイドが出されます。

ここで悩むわけです。我が子にステロイドを塗ってもいいのかどうか?

皮膚科医が丁寧にコミュニケーションをしてくれるならば、安心できます。しかし薬を渡すだけで、他は何も言わないのがほとんどのため、親の不安はふくらむばかり。

そうした不安を取り払うためにも、まずは親御さんによるアトピーについて学びがとても重要かと思うのです。

不安感を払いのけるために、焦りながらアトピー治しに奔走するのは、おすすめできないのです。

そこはやはり、不安を不安のままにせずに、アトピー性皮膚炎の本質について冷静になって学んで頂ければと思うのです。

私は2005年8月から、アトピーの方への援助活動をしております。

今まで多くのご家族の方からのご相談もお受けしてきました。

多くのアトピーのお子さんをお持ちのご家族さんにお会いしてきて思うのは、心情の根っこにあるのは「不安感」なのです。

実のところ、

アトピーへの「不安」を感じたくないあまり、アトピーのお子さんを「放置」なされる方も少なくなかったのです。

相手にしないといいますか「アトピーなのはお前のせいであって、私は悪くない」というお考えをお持ちの方は珍しくありませんでした。

「子どものアトピーのおかげでお金をずいぶん使った。アトピーでなければ、家にはお金が残っていたはずだ」と言い切られるお父様もおられました。

あるいは「アトピーより、もっとつらい病気もあるんだよ」と子どもにとって望まぬ我慢を強いるご家族もおられました。

また、いつ終わるか分からないアトピー治療の心労にイライラがつのり、つい子どもを厳しく叱ってしまう。

アトピー治療への長年の心労によるイライラや焦燥感のおかげで、子どもが甘えてきても相手にしてあげられない……そんな罪悪感を泣きながら告白されるお母さんもおられました。

または、自分の子がアトピーであるのを恥ずかしく思うことを切々と吐露されるお母さんもおられました。

「他の子はアトピーでないのに、ウチはなぜ?」と考えてしまう親御さんも多く見てきました。

「お前は一生、アトピーを抱えて生きるんだ。このように息子に言ってきかせています」と私に延々と電話で話されるお父様もおられました。

みなさんアトピーへの不安感ゆえに、そういう構えになっておられるんだと思うのです。

ひるがえって、お子さんは親に対してどう感じているのでしょう。

中学生や高校生の方からの電話に応じてきて分かったことがあるんです。

みなさん自分の親に自身のアトピーの悩みを打ち明けられないでいるのです。

「アトピーが身体に広がっている。だけど親にこのことが言えない。だって親に申し訳ないから。心配をかけたくないから」と口々に私に言われるのです。

お子さんも不安なのです。

その不安を隠さなけれないけないほど、親に気を使っているのです。

だからこそ「アトピーを通じてお子さんを見るのではなくて、お子さんという存在そのものを見ることが、とっても大切になると思います。

この「アトピーを見る」のではなくて、、、

あくまでも「お子さんそのものを見る」ことは、どれだけの安堵感をもたらすでしょうか。

アトピーの肌ばかりを見るから、アトピーの変化に一喜一憂してイライラしたり不安になったりするのではないでしょうか。「何をやっても治らない現状」に罪悪感を持ったり、あるいは厳しい態度でのぞんだりするのではないでしょうか。

あるいは、アトピーのことを考えすぎるあまり「治す方法」をネットで探しまくり手当たり次第に子どもに試してしまうのではないでしょうか。

実のところ「治る結果しか求めない」という考えによって、アトピーをこじらせてしまう懸念があるのです。

「私ではなく、息子(娘)に言ってやってください」そう、私に言われる親御さんは少なくなくて、ご相談を終えた後、私は「どうして、そう言われるのだろうか」とひとりで考えてみるのです。

そして「お子さんがアトピーであることの責任を親は取り過ぎているのでは?」と考えるに至りました。

親が「お子さんのアトピー」についての責任を取り過ぎると、家族全体に「アトピー」が重くのしかかるでしょう。

これでは家族関係は、ずっと緊張状態になるはずです。

そうなれば、ますます「アトピーと言う問題」は大きくなりますから、こじれてしまうのです。

こういうことを言うと、「子どものアトピーを治したい気持ちを、親が持って当たり前ではないか」と思われる人もいるでしょう。

あるいは「じゃあ、痒がっている子どもをどうすればいいの?」と、感じられる方もおられるでしょう。

ここで、端的にお伝えしたいのは、これです。

過ぎたるは及ばざるがごとし。

なんでも度が過ぎると良くないのです。

お子さんのアトピーに親が責任を取り過ぎたり、反対にほっておくとか、、、そうではなくて冷静さを取り戻すことです。

「アトピーを治さなければいけない」という想いが過ぎてしまうと、焦燥と不安感は高まります。

焦燥と不安感は、視点を固定化します。

つまり「アトピー」をある方向でしか見られなくなる。

この「視点の固定化」「ある方向でしか見られなくなる」ことこそ、悩みを深めます。

なぜ人は悩んでしまうのかご存知ですか? それはある方向でしか物事を見られなくなっているからです。だから悩んでしまうのです。

「過ぎたるは及ばざるがごとし」って、まさにある方向でしか物事を見られなくなっている状態を指し示していることに気づいてください。

我が子のアトピーを案ずるからこそ、冷静になってアトピーの本質を学んでみてください。

そして大切なことを最後にお伝えしたいと思います。

「あなたの苦しさの源は我が子のアトピーではない」と。

「救われるべきは、我が子のアトピーではない。親である「あなた」こそ救われるべきなのではないか」と。

アトピー関係なく、親御さんが楽になれば、お子さんも楽になれますよ。

ということは、我が子のアトピーをご自身の責任として引き受け過ぎてはいけない、となりませんか?

ただただ冷静になってアトピーの本当の姿を知ってほしいと思います。