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幼児用ワセリンは赤ちゃんに不適切

ワセリンの容器ワセリンを赤ちゃんの肌にベタベタ塗る前に、知っておいて欲しいことがあります。

ベビーワセリンは水分を含んでおらずスキンケアの観点からして、ことさら使う必要性が見当たりません。

石油を精製してつくられたワセリンは塗ると皮膚に熱がこもり、かえって痒くなる恐れがあります

アトピーや乳児湿疹に使用する場合、これは大きな問題です。

その理由を東洋医学を根拠に解説します。

赤ちゃんの肌が乾燥しているのは皮膚に熱がこもっているからです。

そして肌の乾燥は痒みの原因です。

掻くのは皮膚の熱を緩和させるためなのです。

つまり掻く行為は自然の摂理であって、悪いことではありません。

だからこそ、肌をしっとりさせる対策が必要です。

ですが、ワセリンは「水分を含まない」ゆえに「肌に水分を補給しない」のです。

ですから、乾燥した肌を改善しません。そればかりか塗ると肌にフタをすることになるので、熱がこもり、よけいに掻きたくなります。

そして、さらに接触皮膚炎になる可能性もあるのです。

では、なぜ皮膚に熱がこもり火照るのでしょうか?

そのことについては、こちらで触れておりますので、次のリンクのページをぜひお読みください。

必読記事⇒アトピーが顔に出ている人へ

ワセリンなど保湿剤で接触皮膚炎の可能性が

乳児用・ベビー用であれワセリンは水分を含んでいません。

乾燥した赤ちゃんの肌に潤いを与えることができません。むしろ塗ることで肌に熱をこもらせるので掻き破る癖をつくりかねません。

なおさらに、ワセリンをはじめとする保湿剤で接触皮膚炎が起きる可能性があるのです。

この懸念について、日本皮膚科学会「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン(2016年版)」147ページには次の記載があります。

皮膚炎の症状のある状態に対しては、ステロイド外用剤と併用して保湿剤を外用することが勧められ、皮膚炎の症状がない状態でも保湿剤を継続的に外用することが勧められる。
(中略)ただし、保湿剤による接触皮膚炎などの有害事象が起こりうることにも注意しなくてはならない。診療ガイドラインより

ここに書かれている保湿剤による「接触皮膚炎」とは何でしょうか?

接触皮膚炎とは、肌に触れた物質によって生じた刺激、アレルギーによって起きる皮膚炎のことです。

症状としては痒くなったり「かぶれたり」します。

私も10年以上、ワセリンを使用していましたが、塗った後に感じる違和感に辛い思いをしてきました。

白色ワセリンは石油の精製技術が進歩したので、塗った後に肌が焼ける心配も今ではありません。

とはいえ、皮膚科で処方されるワセリン等の保湿剤には「接触皮膚炎」など有害事象が起きうることに注意喚起されているのです。

ワセリンは潤いを与えないので痒みは改善しない

肌をなめらかに、しっとりさせるために、このページを読まれているはずです。

もちろん、スキンケアは必要です

赤ちゃんやお子さんの肌に潤いを与えて、これ以上、痒みが悪化させないためにスキンケアによる保湿は大事です。

では、ワセリンはそれができるのでしょうか?

下の図が健康な皮膚の状態です。

正常な肌の状態のイラスト図

かゆみを伝える神経線維は通常、表皮と真皮の境目までしか伸びていません。

ですが、皮膚が乾燥すると神経線維が上まで伸びてしまうのです。

アトピーの皮膚の状態

乾燥肌になると表皮のケラチノサイト細胞から神経成長因子が増大。痒みを伝える神経線維が角直下まで伸びます。

よって、肌にハウスダストやダニなどが触れると神経線維が過敏に反応してしまい痒みを感じやすくなります。

だから、乾燥は痒みの原因。

赤ちゃんの肌に水分を補給して潤いを与える必要があるのです。

なのに、ワセリンは水分を補給することができません。

よって、保湿としては不適切なのです。

スキンケアの目的に「肌に水分を補給する」があります。

ワセリンは乳児の肌を保護する役割があります。しかし、肌を潤すことはしません。

その通りです。ワセリンはこの「水分補給」ができません。

スキンケアとは肌に水分を与えることが最大の目的です。

目的を果たさないものは使う必要が本当にあるのか? 再考してください。

むしろ、化粧水がスキンケアに適しています。

ちなみに「化粧水の選び方」「塗り方」についてはアトピーに有効な保湿のやり方とは?のページでわかりやすく解説しています。

では、次は使用感に関する解説です。

ワセリンのメリット・デメリットとは?

泣いている赤ちゃんの顔私も乳児湿疹を経てアトピーになり、大人になっても治りませんでした。

赤ちゃんやお子さんが、私のように「成人をすぎてもアトピー性皮膚炎が治らない未来」は避けていただきたい。

アトピーが治る前と治った後の写真

20年以上もアトピー症状がありました。ワセリンも長らく塗っていました。

無知が悲劇を生むのです。不安は無知だからです。

だから、あなたは学ぶ必要があります。わが子のさらなる激変を見てパニックになる前に。

では、ワセリンのデメリットについてお伝えしましょう。

ワセリンの使用感について

お母さん。どうぞワセリンをご自身の顔に塗ってください。私はいじわるで言っているのではありません。

塗った後で感じる「独特の違和感」を実感してほしいのです。

「息苦しさ」「肌が圧迫された感触」が分かるはず。これは私が何百と文字を並べて伝えるよりも実際に試した方がリアリティがあるでしょう。

ワセリンの原材料は石油です。

鉱物系のワセリンを塗れば肌が覆われた感じになるので、気持ちよいものではありません。

また、塗った後、ベタベタするのでハウスダストやダニが付きやすくなります。

これが痒みの元になります。また、そのベタベタした肌の違和感こそが痒みをもよおすのです。

掻くことで違和感を緩和したいのです。これは実体験しないとわからないでしょう。

またワセリンを塗った後、洗い落とすのが大変です。

ゴシゴシこすって大切な皮脂まではがれて、乾燥肌になってしまう......そういうリスクがあるのです。

赤ちゃんの肌は敏感で、特に顔の皮膚は薄いですから、ワセリンを洗い落とすことの弊害に気をつけましょう。

すぐにいきなりワセリンを塗るのはやめましょう

ワセリン・クリームに指でバツをしている

ワセリンクリームを先に塗らないで!

 

痒みの原因は肌の乾燥。

ですから、スキンケアの手順として、まずは先に皮膚に水分を与えることをやりましょう。

ワセリンを先に塗ってはいけないのです。

ちなみに、先に塗ってはいけないのは他にもあります(以下参照)。

  • 「クリーム」「ローション」「軟膏」「サージクリーム」「シアバター」
  • 油分が多い「馬油」
  • 水分を含んでいない保湿剤「ヒルドロイド」

これら製品を先に塗ってはいけません。

よくよくお考えください。

肌に水分を与えず「ワセリンを先に塗る」と肌がフタをされた感じになります。

お母さんも経験あるでしょう。顔にファンデーションを塗って、夕方以降、顔が呼吸できないような圧迫感を感じて息苦しくなりませんか?

ファンデーションもワセリンと同様に鉱物油を原料にしているので息苦しくなるのです。

水分がない状態=熱を持った肌=乾燥肌には水分補給をしましょう。

それから水分蒸発を防ぎ、保護するクリーム類を薄く塗ります。

ですが、クリームは必ずしも塗らなければいけないものではないかと思います。

「掻いてはダメ!」とイライラしてませんか?

肌がカサカサ乾燥しているのは、熱がこもっているからです。

なぜ赤ちゃんは掻くか知っていますか? 肌にこもった熱を緩和させるためです。

なのに熱がこもった肌にワセリンを塗れば......もうどうなるかわかりますよねお母さん!

ですから、ワセリンを塗っておきながら「掻いてはいけません!」とあなたがイライラしてしまうのなら、それは矛盾していますよね。

私も若い頃からワセリンを塗っていました。

もちろん良い思いはしていませんでした。だって、塗ると熱がこもって、それが不自然で違和感なので、すぐに掻きたくなるから。

我慢できなくなって学校のトイレに駆け込んで水で洗い落とす。一瞬だけ顔が白くなる。嬉しくなる。

でも洗い落とすことで今度は顔が極度の乾燥状態になる。とても辛くなる。また塗る、そして洗顔する。

そんな繰り返しでした。とてもやるせなく、切なく哀しかったです。

当時の私は大人でした。顔が辛ければ洗い落とすことができるわけです。

でも、乳児や幼児はトイレに行って洗顔なんてできません。

「辛い!」「塗りたくない!」とはお母さんにいえません。

私みたいな苦しさを経験させて欲しくないと思うのです。

では、ワセリンのメリットはなんでしょうか?

肌に水分を与えた後、皮膚を保護するためのアイテムならば、自然でできたクリームを使えばいいわけです。

つまり、ワセリンに特段のメリットは見当たらないのです。

【まとめ】まずはアトピー治しの熱意の方向性を確認しましょう

泣きじゃくる女の子ども子どものアトピーは治しやすいという話があります。

なぜならば、親の監督下にあるので生活習慣を守らせることができるからです。

しかしながら、「子のアトピーをやっつける!」「アトピーの犯人を探してたたく!」という「親の焦り」は好ましくないかと思います。

焦るお気持ちは理解できます。

しかし、気持ちが焦ってしまうのと、焦る気持ちをそのまま行動に移すのは別問題です。

お子さんへの現状に焦りを滲ませつつ行動をしてしまうと、親の気持ちを何度も敏感に感じ取るうちに「親を悩ませる私はいけない子なんだな」ってお子さんが思ってしまいかねません。

実際、「私は親に苦労をかけた。自分が悪い」「家族のなかで自分だけがアトピーだった。迷惑をかけてきた」と、大人になっても自分を責めてしまうアトピーの方は珍しくありません。

そして、

「自分はいけない子だ」と思い込んでいる人が健康になれるのは難しい。

「自分のために治すのではなく、親のために治す」といった価値の転倒のままでは、いくら対策をしても願望はなかなか実現しにくい(会社のために働く人が幸せになりにくいように)。

アトピーを治すための情報をネットで探しては実践する。しかし何やっても効果なし。治るきざしが希望の光が見えない。

まるでアトピー治療の蟻地獄にはまって抜け出せない親子がいかに多いか

私の元に来られる相談者を見てつくづく思います。

かつて私が無料で電話相談をしていた頃、アトピーで悩める中学、高校生からたくさん問い合わせがありました。

みなさん「生まれた時からアトピーで親に迷惑をかけている。治療のためにお金を使わせてしまって親に申し訳ない」と口々にいわれたのが印象に残っています。

だからこそ、お母さん、お父さん、どうか冷静になって「アトピーの本質」を学んでください。

「あれがダメなら今度はコレ!」とばかりにスマホで情報を探す......。

この熱意を私は尊重します。

しかし、熱意の方向性を間違えると症状をこじらせてしまうことでしょう。

だから学ぶべき。無知は罪です。

お子さんにあれこれ対策をやる前に、まずはお母さんが「アトピーの本質」「病気を起こす背景」について知ってください。

まずは、次の過去の投稿記事のリンク、

アトピーの原因と完治のメカニズムを読み進めて学ばれてください。

無知ゆえに、私のように大人になっても治らず、苦労してしまうことはあってはならない。

文責/非営利活動法人 日本成人病予防協会会員 健康管理士 渡辺勲