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大人のアトピーは食事をどう実践すれば良いか?

大人のアトピー性皮膚炎における食生活の実践は、子どもの場合とは違います。

確かに子どものアトピーは食物アレルギーが起因となることが多くて、食事に気をつけるべきです。

しかし大人の場合はアレルゲン食品を除去する必要はありません。

大人のアトピーにアレルゲン除去食は有用か?

アレルギーには特定の原因物質(アレルゲン)があります。

たとえば「卵アレルギー」は卵がアレルゲンです。ですから卵を食事から除去すると症状は緩和します。

しかしアトピー性皮膚炎にはアレルゲンがないのが特徴なのです。

すなわち、食物アレルギーでないならば、アレルゲンとなる食べ物を除去してもアトピーが緩和するとは限りません。

日本皮膚科学会「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン(2016年版)」151ページでは、このように説明されています。

CQ15.アトピー性皮膚炎の治療にアレルゲン除去食は有用か.

食物アレルギーの関与が明らかでない小児および成人のアトピー性皮膚炎の治療にアレルゲン除去食は有用でない.

ただし,食物アレルギーが皮疹の憎悪に強く関与すると考えられるアトピー性皮膚炎においては,原因となるアレルゲン除去食は効果があるが,ステロイド外用剤による一般的な抗炎症外用療法を十分に行うことが前提となる。

アトピー診療ガイドライン

診療ガイドラインを参照すれば、食物アレルギーが皮膚炎に明らかな原因がある場合でない限り、除去食をする必要はないといえそうです。

では気兼ねなく食事をして良いのでしょうか? それは間違いです。

まずは食べ過ぎには注意しましょう。

食べることで欲求不満を解消させようと過食してしまい悪化させてはいけません。

また、食べたいものを我慢することによるストレスを食事で埋め合わせることも、健康に良くありません。

ただし、痒みが激しいなど状態が重篤な場合、悪化につながる食品は避けた方が良いです。

そのためにこちらの記事⇒アトピーを悪化させる食べ物を読んで参考にしてください、

ではこれから、大人のアトピーで「何を」「どのように食べるか」について詳しく解説します。

忙しい毎日だからこそ「正しい食べ物・調理・食べ方」を覚えましょう

大人の日常は忙しいものです。仕事や子育てで限られた時間で食事をする毎日だからこそ食生活はおろそかになりがちです。

仕事の残業で夜が遅い場合、食生活も乱れがちになるでしょう。コンビニ食や外食ばかりだと栄養の偏りが気になります。

また、添加物や調味料についても化学合成のものばかりだと、やはり身体の負担になります。

だからこそ「正しい食物」「正しい調理」「正しい食べ方」のポイントを覚えておくと良いでしょう。

  1. 「正しい食物を摂る」
  2. 「正しい調理をする」
  3. 「正しい食べ方をする」

「正しい食物」を摂る

まず、できるだけ無農薬、無化学肥料、無添加といった正しい食物を食べましょう

「葉っぱが虫に食われていたり、虫の幼虫がついている」のは無農薬の野菜と考えるのは大間違いです。

本当の無農薬の野菜には虫がつきません。野菜本来には害虫に食われないために寄せ付けない成分を出しているからです。

オーガニックの野菜で虫が食われていたら、それは本物ではありません。

「正しい調理」をする

盲点なのが調味料選びです。

調理をする際は、化学調味料を使わず、自然塩や古式醸造の味噌や塩を使いましょう。

時間があれば化学調味料ではなく昆布や鰹節からダシをとるようにしたいですね。

塩ですが痒みが強い場合、薄味にしましょう。塩分は痒みの原因となるからです。

和食の献立で欠かせない醤油ですが、安価な商品はカラメル色素で色づけされています。

醤油は一度買うと長く使用します。だから、高額でも古式製造の醤油を使用したいです。
醤油の成分表示この写真はある「こいくちしょうゆ(本醸造)」の成分表示です。

脱脂加工大豆が原材料の中で一番多いですね。これは醤油の本道ではありません。

カラメル色素と書かれていれば、人工的に着色した醤油といえます。

豆腐は良質なタンパク質であって食べて欲しいのですが、豆腐は国産大豆で、にがりも酸化マグネシウムといった化学的なものよりも、自然由来のにがりを使用しているものがお薦めです。

梅もはちみつが入っているものは良くありません。

必ず添加物や防腐剤、化学調味料(PH調整剤など)が入っていないものを選ぶべきです。

スーパーのお惣菜を買うこともあるでしょう。

お惣菜の煮物も必ず成分表示を見て買うことです。

以下は高野豆腐の煮物です。
お惣菜成分表示
たくさんの添加物が入っていることがわかりますね。

添加物や合成調味料・防腐剤を1日に何品も食べると、アトピーの身ではより負担になります。

アトピーの食事改善において、油で揚げるといった調理はできるだけ減らしましょう。

煮る焼く蒸すといった調理がいいでしょう。

野菜も身体を冷やす生野菜(サラダ)ではなく、煮たりすることで温野菜として摂取しましょう。

「正しい食べ方」を知って実践しましょう

病気治しの基本は胃をいたわることです。ですから、1口に最低100回以上は噛みましょう。

よく噛む効用に唾液で食べ物をからめて胃液から守ることができます。また毒消しにもなります。

噛み応えのある食材を使った料理を食べよう

では、具体的にどのような料理を食べた方が良いのでしょうか?

それは噛み応えのある食材を使った料理が適切です。なぜならば、噛む行為はアトピー治しに関係しているからです。

アレルギーというのは、自己を構成するタンパク質とは異質である物質(アレルゲン)に対する生体防衛反応です。ですから、アレルゲンを壊さないといけません。

異物とみなした食べ物を身体の成分にするために胃腸で消化するわけですが、よく噛むことで消化作用を強めることができます。

しかし、現代人の噛まない食習慣は、食物を不完全に消化しておりアレルゲンをつくりだしやすくなります。

これは、免疫機能の低下をまねき病気に対する抵抗力を弱め、自然治癒力も養われません。

噛む行為は大事だとして、しかしながら現代食は軟らかい食材を使っているので噛む回数を増やすことができない食環境なのです。

ランチや外食のメニューを見てもカレーライスやハンバーグなど、軟らかい噛まなくてもよい料理ばかりですよね。

よく噛むと唾液が分泌されます。唾液にはパロチンという酵素が含まれており老化を防止する働きがあります。

ですから、噛み応えのある食材「まごはやさしい」を料理に取り入れてください。

「まごはやさしい」

「ま」豆類・納豆 「ご」ゴマ 「は」わかめ(海藻)「や」野菜

「さ」魚 「し」しいたけ(きのこ) 「い」芋類

よく見ていただくと、ビタミンやミネラル、食物繊維が多い野菜や芋、根菜類などが噛む回数を増やすことができます。

忙しい毎日だからこそ、次のような昔ながらの和食といったお母さんの味を食べるようにしましょう。

「お母さんだいすき」

「お」おから煮 「か」かば焼き 「あ」小豆ご飯

「さん」秋刀魚 「だ」伊達巻卵 「い」芋料理

「す」寿司 「き」きんぴらごぼう

「ママすてき」

「ま」松茸ご飯(きのこを使っても良い) 「ま」豆料理

「す」すき焼き 「て」天ぷら」 「き」切り干し大根

どれも身体に優しい和食ですよね。

仕事の合間の食事でも、できるだけ上にあげたメニューを選ぶようにしたいものです。

噛むかむクッキング「ひじきごはん」

噛む回数を増やせるレシピをご紹介します。

【材料】(4人分)

乾燥ひじき 20g

油揚げ 1枚

にんじん 1本

ごま油 大さじ1.5

ごはん 660g

砂糖・醤油・酒 各大さじ1+水1/4カップ

【作り方】

① ひじきはたっぷりの水で洗い、多めの水を入れて電子レンジで1分加熱して戻す。水気はよく切っておく。

② 油揚げは熱湯で油を抜く。短冊切りにしておく。人参も適度に千切りにする。

③ ①と②をごま油で炒めて、砂糖・醤油・酒で煮る。ご飯に混ぜて出来上がり。

肌の新陳代謝(ターンオーバー)を促進する食べ物

アトピーの方は「一切、肉食をしない」とストイックな食事改善をしがちです。

しかし、ある程度は動物性タンパク質は食べた方が良いのです。

皮膚は新しく生まれ変わります。たとえば火傷も時間が経てば自然と消えますよね。これは肌の生まれ変わり(ターンオーバー)の仕組みがあるためです。

表皮の基底層では新しい細胞がつくられます。この細胞が上に向かって上がるにつれ、古い皮膚は角化細胞となって垢となりはがれていきます。こういったサイクルで肌が生まれ変わるのです。

ターンオーバーは若い方で24日周期におきます。約1か月で皮膚は再生するわけです。

そのためには、皮膚の新陳代謝であるターンオーバーを促進する食品を少量、献立メニューに加えてください。

このターンオーバーを促進させる栄養素のことを必須アミノ酸といいます。

しかし、この必須アミノ酸は体内で産生・合成できません。食品からでないと摂取できないのです。

必須アミノ酸の栄養素には、

「バリン・イソロイシン・ロイシン・メチオニン・リジン(リシン)・フェニルアラニン・トリプトファン・スレオニン(トレオニン)・ヒスチジン」

があります。

では、これら必須アミノ酸を含む食品は何でしょうか?

【必須アミノ酸が含まれる食材】は以下の通りです。

クロマグロ/牛・豚レバー/豆腐/豚ロース赤身/鶏卵/カツオ/鶏胸肉/マアジ/まいわし

これら食材は調理法に工夫してください。

これらの食品を油で揚げないで、なるべく焼いたり煮たり蒸したりして食べることをお薦めします。

油脂を使った料理はアトピーには良くないからです。

なお、これらの食品を治したい一心に大量に食べることはやめてください。

たくさん食べたり、毎日食べることでアトピーが急に改善するわけではありません。

ましてや、アトピーは胃が弱っています。

肉類を食べる時は少ない量で、よく噛んで食べることを意識してください。1口100回以上は噛むことです。

『鶏胸肉を使った夕食レシピ』

必須アミノ酸を含み免疫を正常化するビタミンB6が豊富な鶏胸肉と、抗酸化ビタミン含有のブロッコリーを使った料理です。

ブロッコリーと鶏肉のコーンチャウダー

●材料4人分

ブロッコリー......1株(240g)

鶏胸肉......1枚(200g)

コーンクリーム缶(220g)

玉ねぎ......2分1個(90g)

にんじん......小半分(60g)

じゃがいも......2個(300g)

牛乳......2カップ

クラッカー......10枚(36g)

にんにく(みじん切り)......1片分

油・バター......各大さじ1

A(固形スープの素1個 水1カップ ローリエ1枚)

塩・こしょう少々

●作り方

1 ブロッコリーは小房に分け、軸は固い所を除いて食べやすく切る。

耐熱容器に入れてラップをふんわりかけて電子レンジで2分半加熱する。

2 鶏肉はひと口大のそぎ切りにし、塩・こしょう少々ふる。

玉ねぎは1cm角、にんじんは半月切り、じゃがいもは3cm角に切る。

3 クラッカーは砕いて牛乳をかけておく。

4 鍋ににんにく、油、バターを入れて火にかけ、2の玉ねぎを透き通るまで炒めて鶏肉を炒め合わせ、にんじん、じゃがいも、Aを加えて煮る。

5 野菜が柔らかくなったら、3とコーンクリーム缶を加えて、1のブロッコリーを加えてひと煮して、器に盛って出来上がり。

文責/NPO法人 日本成人病予防協会会員 健康管理士 渡辺勲