
アトピーの赤い顔はかゆみと乾燥が激しかった(左側)。右側が現在の治った私です。
「顔が赤い。薬を塗っても消えない」
「痒くて仕事に集中できない」
浸出液でジュクジュクになって、それが乾いた後、ガサガサに乾燥したその辛さに私も悩みました。
なぜ赤みが引かないのか? そう不安に思っていませんか?
でしたら、アトピーが顔に発症する原因を知って対策していきましょう。
まず、自分で出来る改善方法として「食べ物に気をつける」ことがあげられます。
皮膚の色艶を見て内臓の様子や食べ物の影響を探る「望診法」によれば、顔の炎症やかゆみの原因は「油脂・砂糖の過剰摂取」といえるのです。
さらに、肌の乾燥が激しいと赤くなり痒みもひどくなります。乾燥は痒みの大敵。スキンケアで保湿をすることはとても大切です。
顔の赤みと痒みを食事によって解決していく方法
肌を赤くさせる炎症、次に痒みの原因と対策について望診法や食養生(食べ物で病を癒す理論)をもとにして解説します。
顔の炎症の原因となる「油脂・脂質・砂糖」
あなたは「油脂や脂質」を多く含む食べ物を食べ過ぎていませんか?
「砂糖」をたっぷり含んだお菓子やジュースが好きではありませんか?
もし、そうだとしたら、これらの食品は減らしていきましょう。
首から上にでるのは「油脂・脂質」「砂糖」の過剰摂取が原因と考えられているからです。
まずは「油脂・脂質」から述べましょう。
油は水に浮かびますよね。上昇する性質が油にはあります。
食事に含まれた油が身体の上へとあがっていった結果、顔にアトピーが出ることになります。
から揚げやフライ、ポテトチップスなど油脂を含んだ食品の摂取は減らしましょう。
では、砂糖についてです。
食養生では「人は食べたものでできている」とされています。砂糖は熱を与えれば赤く焦げますよね?
ですから、砂糖の過剰摂取は肌を赤くさせます。甘いお菓子やジュースは減らしましょう。
「油脂・脂質・砂糖を要因とする皮膚炎はしつこい」と食養生ではいわれています。
ゆえに首から上は治りにくいのです。
かゆみの原因となる食べ物とはなにか?
「前髪の生え際」「おでこ」「眉毛」「こみかみ」あたり、かゆくないですか?
これらの部位は毒素が排毒される部位です。よって、かゆくなるのです。
その理由を望診法で説明しましょう。
食品は食べ過ぎると体内で食毒とよばれる毒素になります。
通常の解毒作用が弱っている場合、毒素は身体内部で滞留します。
身体内部で毒素が溜まると内臓に悪影響を与えます。
これでは危険ですから、応急手当として器質的に弱い皮膚に排泄するのです。
よって毒素がでやすい肌の部位が痒くなったり、炎症が起きるのです。
特に砂糖の過剰摂取は要注意。体内で、かゆみ成分である蟻酸という成分に分解され産生されるからです。
ここで大切なことをお伝えします。
実のところ、食事だけでは顔のアトピー対策は不十分なのです。
なぜならば対処的な方法だからです。
食事改善をして上手くいかない方も多いはずです。
そういった場合は、このページの一番最後の章を先に読まれてください。
顔のパーツ別の原因となる食べ物とは?
ほっぺたが炎症して痒いですか?
唇が切れていませんか?
他の各部位の症状と食べ物との因果関係を下のイラストで解説していますのでチェックしてください。

望診法では肌の状態を見て食事の偏りを知ることができます(上のイラストを参照)。
それぞれの部位で原因となる食品は違うのです。
頬の痒みや赤み、ポツポツとした吹き出物が出ていますか? でしたら卵や甘いもの・動物性食品を控えましょう。
ほっぺたが赤くなっていて、乾燥していたらクッキー・ビスケットは控えましょう。
上唇が切れて荒れていたら胃が弱っているといえます。過食に気をつけて、よく噛んで食べましょう。
下唇は腸の不調です。便秘がちではありませんか? 適度な運動と食物繊維を食事に取り入れましょう。
あごのフェイスラインは魚の食べ過ぎです。
額(おでこ)が痒ければ甘いお菓子と果物は減らしましょう。
顔に長期間、ステロイドを塗り続けていませんか?
「ステロイドを塗って抑えているんです」と、ある女性は自嘲気味にいわれました。
薬で赤みを消したい、という気持ちはよく理解できます。しかし長期間に渡って薬を使い続けることの副作用にも注意してほしいです。
顔の皮膚は薄いため薬剤の吸収量が高く、ステロイドの影響を受けやすいといえます。
なのにステロイドの知識が不足している方が多いことに気づかされます。まずは、ステロイドの副作用について知っておきましょう。
日本皮膚科学会「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン(2016年版)」では副作用についてこのように指摘されています。
局所的副作用については、皮膚萎縮、毛細血管拡張、ステロイドざ瘡、ステロイド潮紅、多毛、皮膚萎縮線条、細菌・真菌・ウイルス性皮膚感染症の悪化などが時に生じるが、皮膚萎縮線条を除いて多くは中止あるいは適切な処置により軽快する。
引用元診療ガイドライン
では、上記の引用を解説しましょう。
皮膚萎縮とは肌が薄くなることです。皮膚が薄くなれば皮脂やバリアも薄くなるので乾燥肌になり痒みが増すことになります。よって薬を止めることができなくなります。
ステロイドざ瘡とはニキビのことです。
ステロイドの知識を深めることで弊害を低減してください。
まずは化粧水によるスキンケアから始めましょう
そもそも、肌が乾燥すると痒くなる仕組みがわかればスキンケアが必要であることが理解できると思います。
皮膚に潤いがなくなると「痒みを感知する神経線維」が肌の表面(表皮)まで伸びてしまう。結果、痒みに敏感になります。
このメカニズムを下のイラスト図で説明しています。
健康な肌の場合、痒みをつたえる神経線維は表皮と真皮の境界線までしか伸びていない。だが乾燥肌になると表皮の角層直下まで伸びてしまう。
神経線維が表皮まで到達するとハウスダスト・ダニ・細菌に反応してしまいます。
よって、痒みが起きやすくなります。
ですから、化粧水で肌に水分を与えて乾燥肌を防ぎましょう。
脱保湿はシワを増やすだけであって、無意味です。
スキンケアの方法ですが、必ず先に化粧水を塗るようにしてください。それから、クリームを塗って水分蒸発を防ぐこと。この順番でスキンケアをやりましょう。
なぜならば、上半身に熱がこもって火照っていたのでクリームやワセリンを塗ると息苦しくなるからです。
石鹸で洗うと乾燥肌になることに注意しましょう
石鹸には優しい、安全なイメージがあります。
確かに合成洗浄剤に比べると安全なのですが、石鹸はアルカリ性ゆえに皮脂を奪ってしまうのです。
健康な肌は弱酸性に保たれています。しかし、石鹸で洗うと肌がアルカリ性に傾きます。そして短時間で弱酸性に戻ります。
ですが、皮膚は機能が低下していると、長い時間アルカリ性のままで弱酸性に戻らず、細菌やブドウ球菌の繁殖を許してしまいます。
また、石鹸は肌の皮脂を奪いがちです。石鹸で洗うと肌がつっぱる感じがするのはそのためです。
ちなみに石鹸は固形タイプ・液体タイプがあります。
成分表示に「石鹸素地」「脂肪酸ナトリウム」と書かれていたら、固形・液体とわず石鹸です。
「ならば、弱酸性のビオレUな大丈夫かな」と、思いましたか?
その考えは短絡的です。
商品を購入する際は、必ず成分表示を見て有害成分をチェックすること。
チェック方法は次の章で説明します。
ちなみに、洗う時は手でつくった泡で優しくこすらないことです。泡をのせるだけでもいいです。
スキンケア用品に含まれる化学物質に気をつける
スキンケア用品に含まれる化学物質が「皮膚の炎症を促進」する恐れがあります。
なぜならば、皮膚のタンパク質変性作用が起きる可能性があるからです。
タンパク質変性作用の一例が金属アレルギーです。
ネックレスをつけた跡が赤くなるのは、金属成分が溶けることでタンパク質が変性されて起きるためです。
同じことが日用品に含まれる化学物質でも起きるのです。
とりわけ、顔は敏感でデリケート。化学物質に過敏に反応しやすい。
透過性試験によると額(おでこ)は腕より6倍も吸収性が高かったのです。手の平や足の裏の角質層は100層以上もあるのに対して10層以下しかなくて、とてもデリケートだといえます。
ですから、スキンケア用品を購入する際は成分表示を見て有害な成分をチェックしましょう。
「無添加」「オーガニック商品」でも同様に確認してください。
成分表示の見方は次の章で説明します。
成分表示を見てアレルギーを引き起こす指定成分を避ける
(旧)薬事法(現、薬機法)では「過去にアレルギーを引き起こした化学物質」を102種類指定しています。
これを指定成分といいます。102種類も知る必要はありません。以下の言葉が成分表示にあれば避けるようにしましょう。
スキンケア用品の容器に書かれてある成分表示でこれらの言葉あるかチェックしましょう。
「硫酸」「スルホン酸」
「安息香酸」
「フェノキシエタノール」
「PG」「BG」「パラベン」
ファンデーションやマスカラ、アイシャドウ、口紅といった化粧品も成分表示を確認しましょう。
「硫酸」「スルホン酸」とは硫酸系界面活性剤・スルホン酸系界面活性剤のことです。これらは洗浄力が強いため皮脂も洗い流してしまいます。バリア機能を破壊して乾燥肌になる恐れがあるでしょう。
「PG」「BG」は保湿成分として使用されています。PGとはプロピレングリコール、BGとはブチレングリコールの略です。
「安息香酸」「パラベン」は防腐剤です。パラベンは何種類もあって「メチルパラベン」がよく商品に使用されます。
「パラベンフリー商品」に使われるのが防腐剤「フェノキシエタノール」です。パラベン不使用といいながら防腐剤であるフェノキシエタノールが使われています。フェノキシエタノールは指定成分ではありませんが気をつけたい成分です。
さて、ここまで読まれて化学物質に神経質になられたかも知れませんね。
とはいえ、心配し過ぎる必要はありません。
今使われているスキンケア用品で不具合がなければ、そのまま使用されてもいいでしょう。
化学物質の過敏症でなければ、できるだけ低刺激のものを使用するという気配りだけで十分です。
化学物質が含まれていないスキンケア用品を使ってもアトピーが治らない人はとても多いからです。
色素沈着を防ぐために紫外線には気をつけよう
日光に直接あたる顔ですから、紫外線には気をつけましょう。皮膚の強い炎症が繰り返しあった部分に頻繁に紫外線が当たると、顔が赤黒くなるといった色素沈着が起きやすくなります。
その原因ですが、炎症がひどいところほど、メラニン色素が皮膚の深い層に落ちているからです。
健康な肌の状態でしたら、肌のターンオーバーの働きによって1か月もするとメラニン色素も取れます。そして元の肌の色に戻ります。
しかし、強い炎症が繰り返されていると、皮膚の深い層にメラニン色素が落ちてしまうので色素として沈着するのです。まずはメラニン色素ができてしまう紫外線には気をつけましょう。
「何をやっても顔のアトピーが治らない」ならば、どうすればいいか?
今まで述べた対策を長年やっても「すっきりと治らない」と、お悩みの方は多いです。私もそうでした。
そのような場合は、まずは冷静になってください。焦りながら手当たり次第に対策するのは良くありません。
なぜならば、食事や保湿といったやり方は対処的な対策だからです。
これらは必要なことですが「表面上のアプローチ」しかできないのです。
そこで、やって頂きたいのがアトピーを引き起こしている本質を知ることです。
では、本質を知ってどのように根本的な解決をしていくか?
これについては関連記事⇒アトピーの原因と完治のメカニズムのページで順を追って解説していきますので必ずご参考ください。
どうしても焦ってしまうものです。
その焦りは不安からもたらされるもの。深い知識がなければ焦燥にかられます。
ですから、根本的な知識を手に入れてください。