私自身、顔のアトピーには悩まされました。

左がアトピーだった頃の私です。右側はアトピーを完治してからの私の顔写真です。
左がアトピーだった頃の私です。
現在、右側の写真のように完治できています。
約20年以上、ずっとアトピーの私でした。
眉毛は全部抜けてしまいました。
まぶたが赤く腫れました。
おでこに刻まれた深いシワ。
色素沈着した顔。
掻かないようにしても、寝ている間に掻いてしまう。
朝になって鏡を見るのです。赤く腫れあがった顔をちらっと確認するのが精いっぱいでした。
鏡を見るのが嫌で、いつも下を見て歩いていました。
そんな私は、今ではおしゃれを楽しんでいます。
では顔のアトピーを悪化させないために、どのような対処があるでしょうか。
このページでは基本的な知識をお伝えして、最後に大切なことをお話します。
「顔の炎症・痒み」に関与する食品
食事内容と「炎症・痒み」の関係につきましては、望診法と食養生理論をもとにして解説していきます。
望診法とは「皮膚の状態を診て内臓や食事の傾向を見立てる」方法論のことです。
食養生とは「食べ物で病を癒す理論」のことです。
顔の炎症の原因となる「油脂・脂質・砂糖」
首から上のアトピーは「油脂・脂質」「砂糖」の過剰摂取が原因と考えられています。
まずは「油脂・脂質」から述べましょう。
油は水に浮かびますよね。上昇する性質が油にはあります。
食事に含まれた油が身体の上へとあがっていった結果、顔にアトピーが出ることになります。
から揚げやフライ、ポテトチップスなど油脂を含んだ食品の摂取は減らしましょう。
では、砂糖についてです。
食養生では「人は食べたものでできている」とされています。
砂糖は熱を与えれば赤く焦げますよね?
ですから、砂糖の過剰摂取は肌を赤くさせるのです。
甘いお菓子やジュースは減らしましょう。
「油脂・脂質・砂糖を要因とするアトピー性皮膚炎はしつこい」と食養生ではいわれています。
ゆえに首から上は治りにくいのです。
かゆみの原因となる食べ物とは?
「前髪の生え際」「おでこ」「眉毛」「こみかみ」あたりが痒くないですか?
これらの部位は毒素が排毒される部位です。よって痒くなるのです。
その理由を望診法で説明しましょう。
食品は食べ過ぎると体内で「食毒」とよばれる毒素になります。
でも大丈夫です。身体には解毒作用が備わっているからです。
しかし解毒作用が弱っている場合、毒素は身体内部で滞留します。
身体内部で毒素が溜まると、毒素は内臓に悪影響を与えます。
これでは危険なので応急措置として身体は器質的に弱い皮膚に毒素を排泄しようとします。
よって、毒素が排泄される肌の部位が痒くなる。炎症も起きるというわけです。
ですから肉類・油脂・砂糖の食べ過ぎには注意しましょう。
「前髪の生え際」「おでこ」「眉毛」「こみかみ」とは、ちょうど頭蓋骨の隙間にあたります。なので毒素が排泄されやすいため、痒み・炎症が起きやすくなるのです。
顔のパーツ別の原因となる食べ物とは?
では「ほっぺた」「唇」の症状について解説します。
「各部位の症状」と「食べ物」との因果関係を下のイラストで解説していますのでチェックしてください。
上のイラストを見てください。それぞれの部位で原因となる食品は違います。
「頬(ほっぺた)」に痒み・炎症・ポツポツとした吹き出物が出ていますか?
でしたら卵や甘いもの・動物性食品を控えましょう。
ほっぺたが赤くなっていて、乾燥しているならばクッキー・ビスケットは控えましょう。
望診法では「上唇は胃」「下唇は腸」の状態を表していると見立てます。
上唇が切れて荒れていたら胃が弱っているといえます。よく噛んで食べましょう。
下唇は腸の不調です。便秘がちではありませんか? 適度な運動と食物繊維を食事に取り入れましょう。
あごのフェイスラインは魚の食べ過ぎです。
額(おでこ)が痒いのでしたら、甘いお菓子と果物は減らしましょう。
顔に長期間、ステロイドを塗り続けていませんか?
長期間、ステロイドを使い続けることの副作用に注意してください。
顔の皮膚は薄いので薬剤の吸収量が高いため、ステロイドの影響を受けやすいといえます。
ステロイドの副作用について知っておきましょう。
日本皮膚科学会「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン(2016年版)」では、ステロイドの副作用についてこのように指摘されています。
局所的副作用については、皮膚萎縮、毛細血管拡張、ステロイドざ瘡、ステロイド潮紅、多毛、皮膚萎縮線条、細菌・真菌・ウイルス性皮膚感染症の悪化などが時に生じるが、皮膚萎縮線条を除いて多くは中止あるいは適切な処置により軽快する。
では、上記の引用を解説しましょう。
皮膚萎縮とは肌が薄くなることです。
皮膚が薄くなるということは、皮膚の保湿機能の低下を意味しますから乾燥肌が促進します。
乾燥肌は痒みの原因のひとつです。
その痒みをステロイドで抑えるならば、副作用の懸念もそれにつれて大きくなりますから断薬が難しくなるかもしれません。
ステロイドざ瘡とは、ニキビのことです。
ステロイドの知識を深めることは、薬の副作用を知ることでもあります。
ステロイドの副作用についてご不明な点があるのでしたら、遠慮することなく皮膚科医にご相談されてください。
市販の薬を買うと必ず「使用上の注意」が書かれた紙が添付されています。そこには薬について「してはいけないこと」「相談すること」が記載されています。薬は効きます。そして同時に副作用があるわけです。やはりステロイドを使うにあたっては独断を避けて医師にご相談することを強くお勧めします。
肌が痒くなるひとつの要因
肌が乾燥すると痒くなるのは、どうしてでしょう。
皮膚に潤いがなくなると「痒みを感知する神経線維」が肌の表面(表皮)まで伸びてしまうのです。
その結果、痒みに敏感になります。
この痒くなる仕組みを下のイラスト図で説明しています。
通常、痒みを伝える神経線維は表皮と真皮の境界線までしか伸びていません。
だが乾燥肌になると表皮の角層直下まで伸びてしまう。
神経線維が表皮まで到達するとハウスダスト・ダニ・細菌に反応してしまいます。よって、痒みが起きやすくなります。
ですから、化粧水で肌に水分を与えて乾燥肌を防ぎましょう。
スキンケアの正しい順番をご存知ですか?
必ず先に化粧水を塗るようにしてください。
それから、クリーム等を塗って水分蒸発を防ぐこと。この順番でスキンケアをやりましょう。
アトピー肌に熱がこもって火照っているならば、先にクリームやワセリンを塗ると息苦しくなるからです。
クリームやワセリンは肌に水分を与えません。ですから先に、化粧水や美容液で肌を湿らせてください。
石鹸は安心できるか?
石鹸には優しい・安全なイメージがあります。
確かに合成洗浄剤に比べると安全なのですが、石鹸はアルカリ性ゆえに肌から皮脂を奪ってしまうのです。
健康な肌は弱酸性に保たれています。
しかし、石鹸で洗うと肌がアルカリ性に傾きます。
肌がアルカリ性に傾くと、皮膚バリアが低下するので痒みが起きやすくなります。
しかし石鹸で洗って肌がアルカリ性になっても、短時間で肌は弱酸性に戻ります。
ですが、アトピーで皮膚機能が低下していると、そうはいきません。
長い時間アルカリ性のままで弱酸性に戻らないのです。
つまり肌本来の弱酸性に戻らず、細菌やブドウ球菌の繁殖を許してしまいます。
また、石鹸は肌の皮脂を奪います。石鹸で洗うと肌がつっぱる感じがするのはそのためです。
石鹸で洗顔すると乾燥肌になることを覚えていてください。
では、お使いの商品が石鹸かどうかを調べる方法をお伝えします。
石鹸には固形タイプ・液体タイプがありますが、成分表示に「石鹸素地」「脂肪酸ナトリウム」と記載されていたら、その商品は石鹸です。
「ならば、弱酸性のタイプの石鹸・ソープなら大丈夫かな」と、思いましたか?
いいえ。そうでもないのです。
弱酸性の商品であっても、肌に有害な成分が入っているからです。
商品を購入する際は、必ず成分表示を見て有害成分をチェックしてください。
チェック方法は次の章で説明します。
スキンケア用品に含まれる化学物質に気をつける
スキンケア用品に含まれる化学物質が「皮膚の炎症を促進」する恐れがあります。
なぜならば、化学物質によって「皮膚のタンパク質変性作用」が起きる可能性があるからです。
タンパク質変性作用とは、なんでしょうか?
「金属アレルギー」がタンパク質変性作用の一例です。
肌にネックレスをつけると赤くなるのは、金属成分が溶けることで肌のタンパク質が変性されたからです。
ネックレスほどではありませんが、同じことが日用品に含まれる化学物質でも起きる可能性があります。
顔は敏感でデリケート。化学物質に過敏に反応しやすい。
透過性試験によると額(おでこ)は腕より6倍も吸収性が高かったのです。
「手の平」「足の裏」の角質層は100層以上もあります。
それに対して、顔は10層以下しかありません。とてもデリケートだといえます。
ですから、スキンケア用品を購入する際は成分表示を見て有害な成分をチェックしましょう。
「無添加」「オーガニック商品」でも同様に確認してください。
成分表示の見方は次の章で説明します。
成分表示を見て指定成分を避ける
(旧)薬事法(現、薬機法)では「過去にアレルギーを引き起こした化学物質」を102種類指定しています。これを指定成分といいます。
102種類も知る必要はありません。以下の言葉が成分表示にあれば使用を避けましょう。
*成分表示に、これらの言葉あるかチェックしましょう。
「硫酸」「スルホン酸」
「安息香酸」
「フェノキシエタノール」
「PG」「BG」「パラベン」
ファンデーションやマスカラ、アイシャドウ、口紅といった化粧品も成分表示を確認しましょう。
「硫酸」「スルホン酸」とは硫酸系界面活性剤・スルホン酸系界面活性剤のことです。これらは洗浄力が強いため皮脂も洗い流してしまいます。バリア機能を破壊して乾燥肌を促進します。
「PG」「BG」は保湿成分です。PGとはプロピレングリコール、BGとはブチレングリコールの略です。
「安息香酸」「パラベン」は防腐剤です。パラベンは何種類もあって「メチルパラベン」がよく商品に使用されます。
「パラベンフリー商品」に使われるのが防腐剤「フェノキシエタノール」です。パラベン不使用といいながら防腐剤である「フェノキシエタノール」が使われています。
フェノキシエタノールは指定成分ではありませんが気をつけたい成分です。
さて、ここまで読まれて化学物質に神経質になられたかも知れませんね。
とはいえ、心配し過ぎる必要はありません。
今使われているスキンケア用品で不具合がなければ、そのまま使用されてもいいでしょう。
化学物質の過敏症でなければ、できるだけ低刺激のものを使用するという気配りだけで十分です。
あるいは洗浄するたびに、肌が乾燥してつらいならば、出来る限り成分表示には気をつけた方がいいかと思います。
しかしながら、化学物質が含まれていないスキンケア用品を使ってもアトピーが治らない場合、一番最後の章をお読みください。
色素沈着を防ぐために紫外線には気をつけよう
日光に直接あたる顔ですから、紫外線には気をつけましょう。
炎症が起きている顔に紫外線が当たると色素沈着が起きやすくなります。
炎症が起きているとは皮膚本来のバリア機能が低下していると考えられます。
よって、日焼けで作られた「メラニン色素」は、皮膚の深い層に落ちやすくなるのです。
通常、いくら日焼けしても「肌のターンオーバー」の働きによって1か月もするとメラニン色素は垢としてはがれます。そして元の肌の色に戻ります。
しかし、強い炎症が繰り返されていると、皮膚の深い層にメラニン色素が落ちてしまい沈着するのです。よって肌が黒くなるのです。
これがアトピーによる色素沈着の原因です。
まずはメラニン色素ができてしまう紫外線には気をつけましょう。
何をやっても治らないなら、どうすればいい?
さて、いろんな対策を解説してきました。
しかし「何をやっても治らない」と悩む方は多いのです。
では、どうしてアトピーは治らないのでしょうか?
それは、多くのアトピー対策は対症療法だからです。
食事改善やスキンケアをいくらやっても治らないのは、それらは対症療法だからなのです。
では、何をすればいいのか?
それは新しい視点を持つことです。
とても大切なことなので、もう一度お伝えします。
アトピーへの視点を変えない限り、同じ結果をくりかえしてしまいます。
この話は完治した人でしかわかりにくいかと思いますので、次のページ⇒アトピーの原因と完治のメカニズムでお話していますので、必ずご覧ください。
