食べることで痒みが増す食品とは?

食べることで痒みが増す食品があります。

たとえば酸性食品がそれにあたります。

酸性食品は血液を酸性にさせます。そして皮膚をアルカリ性にします。

皮膚がアルカリ性になれば、バリア機能が低下するので細菌など外部からの刺激で痒みが起きやすくなります。

砂糖は痒みの原因となる蟻酸を生みますので甘いスイーツは減らしましょう。

また灰汁の強い野菜も痒みを起こしますので気をつけることです。

では、より詳しく摂取を制限した方がいい食べ物を紹介していきます。

なお、食事制限だけではアトピーは難しいのが実態です。その理由も最後に述べますので合わせて読んでください。

アトピー肌に良くない酸性食品を減らす

酸性食品(肉類・鶏卵・油脂・スイーツ)の摂取を減らしましょう。

身体は弱アルカリ性に保たれる必要があります。

しかし酸性の食べ物をたくさん摂ると血液が酸性に傾きます。

血液が酸性に傾くと皮膚はアルカリ性になります。これがアトピーの悪化につながります。

通常、血液は弱アルカリ性で、皮膚は反対の弱酸性なのです。

通常の「血液」と「皮膚」の関係

  • 血液⇒弱アルカリ性
  • 皮膚⇒弱酸性

ところが、肉・卵・油脂や甘いものといった酸性食品は血液を酸性に、皮膚をアルカリ性に傾かせます。

酸性食品過多における「血液」と「皮膚」の関係

  • 血液⇒酸性
  • 皮膚⇒アルカリ性

通常、皮膚は弱酸性であり、細菌の繁殖を防いでいます。

ですが、肌がアルカリ性になると、細菌の繁殖や外部からの刺激をゆるしてしまう。よって痒みが起きやすくなります。

結果、アトピー肌にダメージを与えてしまいます。

汗をかくと痒くなりますよね。それは汗がアルカリ性だからです。

アルカリ性の汗は肌に刺激をあたえるので痒くなるのです。

よって、身体(血液)が酸性に傾く食生活に気をつけましょう。

たとえば、レトルト食品を食べ過ぎると、体内にリン酸が過剰につくられるので身体が酸性になります。

外食で美味しい料理を好むのも良くありません

料理のうま味成分はアミノ酸や核酸が働いています。

核酸はプリン体からつくられます。プリン体が処理されると不要物として尿酸ができるからです。

尿酸は身体を酸性に傾かせますので、外食には気をつけたいです。

油類がアトピー憎悪因子になっている

油類を食べ過ぎると、痒みが増えることは経験的に感じられている方も多いでしょう。

その理由は明確になっていませんが、考えられる原因は以下の通りです。

  1. 大豆油に混入した大豆のタンパク質(広義の大豆アレルギー)
  2. ほとんどの植物油に大量に含まれるリノール酸の代謝産物
  3. 過酸化脂質(活性酸素)を含んだ酸化変質した油

血液検査で大豆アレルギーが判明した場合、「大豆油混入なし」と表示している商品を選ぶ必要があります。

リノール酸の大量に含まれる油(サフラワー油・ひまわり油・綿実油など)はアトピーに不適切です。

一方でαリノレン酸、DHA、EPAがアレルギーを抑制するのに有用であるという報告もあり、しそ油、なたね油、魚油は有用です。

アトピーの明確な原因ではありませんが活性酸素は健康に良くはありません。

活性酸素には過酸化脂質があります。油が酸化すると過酸化脂質が産生されます。

酸化した油を避けるために市販の揚げ物、フライ、スナック菓子の食べ過ぎや、古い油の使用には注意しましょう。

痒みの元になる砂糖は制限しましょう

砂糖は痒みの原因です。スイーツや清涼飲料水の摂り過ぎに注意です。

また、甘いものの食べ過ぎは皮膚の新陳代謝(肌の生まれ変わりのこと)を阻害します。

砂糖は肝臓で分解されると蟻酸になります。蟻酸は痒みをもたらす成分です。

蟻や蚊に噛まれたら痒くなりますよね? それはこの蟻酸が原因です。

砂糖がたっぷり含まれているチョコレートやアイス、麺類やケーキで糖質を摂るのではなくて、白米でとるべきです。

砂糖の分子は小さいので吸収が早く、血糖値が急に上がります。一方、白米は分子が大きいのでゆっくり消化されるので身体にやさしいです。

柑橘類の果物は食べない

柑橘類くだもの果物には美容のイメージがありますが柑橘類の果物は痒みを起こします。痒みがひどい時は避けるべきです。

柑橘類の果物には、みかん、オレンジ、グレープフルーツ、レモンがあります。

さらに南国産の果物は身体を冷やす性質がありますので健康に良くありません。症状が重い人は食べないことです。

消化に悪い赤身・青い背の魚は食べないようにする

アトピーはアレルギー疾患である以上はタンパク質の摂取は制限した方がいいです。

ですから、消化の良いタンパク質をできるだけ選んで食べるようにしましょう。

赤身や青い背の魚は消化に悪いですので減らしましょう。魚は消化の良い白身のものを選びましょう。

調理の仕方にも工夫が必要でして、魚は生魚よりも焼き魚の方が消化が良いのでお薦めです。焼き魚は大根おろしと一緒に頂きましょう。大根は動物性タンパク質の消化を助けるからです。

大根おろしにはアミラーゼ(デンプン分解酵素)・プロテアーゼ(タンパク質分解酵素)・リパーゼ(脂肪分解酵素)といった魚や肉の消化を助ける酵素が含まれています。だから焼き魚には昔から大根おろしが添えられるわけです。

乳製品には注意

乳製品は嗜好品であり健康に良いとはいえません。とりわけ鼻や口の周りの湿疹やアトピーは乳製品が原因といえるのです。

成人の日本人は乳製品を分解する酵素である乳頭を身体に備えていません。この乳糖は授乳期が終わった時期に日本人の身体からなくなります。よって、ヨーグルトを食べても身体内で栄養素が吸収されないのです。

また、ヨーグルトに含まれる乳酸菌は胃液でほとんどが死滅するので腸にまで届きません。

乳酸菌をとりたいなら日本人の身体に合う「味噌・醤油・豆腐・納豆」がおすすめです。

また乳製品は身体を冷やします。冷えは万病の元。アトピーにも良くありません。

アトピーと冷え性の関係については⇒アトピー改善に冷え性解消がカギになるをお読みください。

玄米は痒みを悪化させる

排毒作用の強い玄米は食べることで痒みが増したり、あるいは浸出液が出て辛い状態になるケースもあります

症状が重い場合は無理に玄米にすることはないでしょう。ですから、玄米は五分つき、三分つきから始めましょう。

固い玄米はよく噛まないと腸を荒らしたり、便秘になったりします。そこまで噛むことが出来なければ白米を食べた方が無難です。

灰汁(あく)の強い野菜は痒みを起こす

痒みを起こす野菜たけのこ、ごぼう、ナス、菜の花といった「灰汁(あく)の強い野菜」は仮性アレルゲンが含有しており、かつ、排毒作用があるため、排毒の過程で痒みを感じやすくなります。

トマト、ピーマン、じゃがいも、唐辛子など、なす科のしゅう酸を多く含む野菜も痒みを起こします。

その他の注意したい食べ物

顔のほっぺたに痒みがあれば小麦の過剰といえます。

パンやビスケットの表面は乾燥しています。乾燥した食べ物は肌の乾燥をまねくのです。

カレーなど香辛料が含まれる辛いものも身体を温めて火照らします。香辛料は時間が経過すれば身体を冷やすので、さらに要注意です。

お米でできたアルコールやお餅は身体を一気に温めて血管を拡張させるので痒くなります。

食事制限をしてもアトピーが良くならない理由

多くの方が食事に配慮をしています。けれど、「アトピーが良くなる兆しが見えない」と悩む方は多いのです。

ちなみに私は食事制限をしておりません。

食事対策は対症療法であり完治までには至らないのです。

もちろん痒みが激しい場合は上記に述べた対策をやった方がいいでしょう。

しかし、対症的なものであって大きな変化は望みにくいのです。

ですから、より「アトピーの本質的問題」を見すえた根本的なアプローチが必要です。

「どんなに食事改善をしても治らない」とお悩みの方は、こちらのページを用意しています。

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文責/特定非営利活動法人 日本成人病予防協会会員 健康管理士 渡辺 勲

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