ワセリンとの付き合い方を見直してみませんか?

ワセリンを10年近く使用。使用中止から緩和に向かい、現在は右側の通り、完治しています。
私がアトピーだった頃、10年近くワセリンを肌に塗っていました。
だからこそ、こんなことが言えます。
「ワセリンを使用する理由はあまりない。なぜならワセリンは乾燥肌を湿らさないから」
ワセリンはスキンケアにとって有効か?
ワセリンに副作用はあるか?
これらの疑問にお答えしていきます。
ワセリンが痒みの原因になることも
ワセリンは保湿剤として知られています。
けれど、痒みを悪化させることがあります。
実は、ワセリンなどの保湿剤は「接触性皮膚炎」を起こすことがあるのです。
また、ワセリンは石油から作られています。自然由来ではないのです。
さらに、ワセリンは肌に水分を与えません。
潤いのない乾燥肌には合わない場合があります。
ワセリンを塗っても潤わず、逆に痒くなることも。
アトピーの方にとってワセリンを塗ることで独特の息苦しさにしんどく感じるかもしれません。
肌が乾く理由
アトピーで肌が乾燥している理由のひとつに「皮膚に熱がこもっている」というものがあります。
それなのに、ワセリンを「ベタっと」塗るとかえって皮膚に熱がこもりやすくなります。
これが痒みの悪化につながるのです。
なぜなら掻くという行為とは、肌にこもった熱を緩和するものだから。
肌に熱がこもる。その熱を緩和させるために「掻く行為」をしてしまう。
そこへ肌を湿らさないワセリンを塗ると、どうなるでしょうか。
乾燥肌に熱をこもらせることを増長させるので、掻きたくなるかもしれません。
私がアトピーだった時の経験に、ワセリンを塗ることでかえって痒くなり、掻きたくなるというものがありました。
「アトピー診療ガイドライン」でも保湿剤による有害事象を指摘
皮膚科で処方される保湿剤には接触皮膚炎が起きる懸念があります。
接触皮膚炎とは肌に触れた物質の刺激、あるいはアレルギーによって起きる皮膚炎です。
日本皮膚科学会「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン(2016年版)」147ページには次の記載があります。
皮膚炎の症状のある状態に対しては、ステロイド外用剤と併用して保湿剤を外用することが勧められ、皮膚炎の症状がない状態でも保湿剤を継続的に外用することが勧められる。
(中略)ただし、保湿剤による接触皮膚炎などの有害事象が起こりうることにも注意しなくてはならない。診療ガイドライン
接触皮膚炎とは、かぶれや強い痒み、赤みなどの反応です。
私も、ワセリンで強い痒みを感じたことがあります。
肌に異常がなくても、ワセリンはスキンケアの目的と合いません。
皮膚の乾燥がつらい場合は、ワセリンにこだわる必要はありません。
もっと適切なスキンケア用品で保湿をしてもいいでしょう。
しかし、皮膚科ではワセリンを推奨されていますし、愛用して手放せない方は多いのが実情です。
「最高の保湿剤」という言葉に注意
ある医師は「ワセリンは最高の保湿剤」と言いました。
でも、それはアトピーで苦しんだことのない人の意見かもしれません。
ワセリンは水分を与えないので、スキンケアの本質とずれています。
ワセリンだけでは保湿にならない
スキンケアとは、水分を与えることです。
まずは化粧水・美容液で肌を潤しましょう。
水分を与えずワセリンだけ塗るのは、保湿とは言えません。
しかも、ワセリンは重く、肌を覆ってしまいます。
なぜ石油を肌に塗るのか?
ワセリンは石油から作られています。
「天然オイルだから安心」といった表現には注意が必要です。
純度の高い白色ワセリンでも、本質は変わりません。
副作用がないとしても、水分を与えない点は変わらないのです。
蒸発を防ぐだけなら、他の方法もあります。
わざわざ石油系を使う理由は少ないでしょう。
洗い落としにくいという落とし穴
ワセリンは簡単に洗い流せません。
私がかつて通院していた皮膚科の医師も「ワセリンを塗ることのデメリットにゴシゴシ洗う必要があることだ」と話していました。
ゴシゴシ強く洗うと、肌が乾燥し、かえって痒くなります。
これでは本末転倒です。
私の実体験
大学時代、ワセリンを塗って息苦しくなり、すぐに洗い落としました。
顔は白くなりましたが、数時間後には乾燥してつらくなりました。
また塗る、でもまた息苦しい……そんな悪循環でした。
ワセリンを手放すという選択
私は、10年以上ワセリンを使っていました。
でも、いまは使わずに改善しました。
大事なのは、対処より「本質」を見ることです。
アトピーの本質に合った方法を知ってください。
何かを塗るだけでは根底的な変化は到来しませんから。
同じことの繰り返しというパターンを見直すことは大事です。
詳しくは以下のリンクをご覧ください。
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文責/非営利活動法人 日本成人病予防協会会員 渡辺勲