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アトピー対策におけるカビ・動物アレルゲン・化学物質の除去方法

アトピー性皮膚炎の方でも、血液検査でカビや動物の毛、あるいは化学物質について陽性反応があれば、これらのアレルゲン(アレルギーの原因物質のこと)を家庭環境から除去していく必要があるでしょう。

また、アトピーが重い場合は、これらの物質は強い刺激として感じやすいでしょうから、室内は清潔にしておきたいものです。

カビの発生を予防する通気と掃除消毒

カビの発生源と家庭内の棲息場所、そしてダニとの関係まで解説します。

なぜカビが発生するのか?

カビ発生の条件には、湿度、温度、酸素があります。とりわけ室内では湿度が重要な要素になります。

一般に湿度が高くなると材質によって時間差はありますが表面にカビが発生します。

カビが繁殖しやすい環境

家庭でカビが発生しやすい場所は浴室、洗面所、台所、押し入れ、クローゼットなどです。いずれも湿度と関連する場所だといえます。

地域によって差がありますが、北側の部屋、玄関、寝室、タンスの裏側の壁、床下収納、窓ガラスなどにも発生がみられます。

最近は、住宅構造が高気密化しています。生活環境は快適になりました。けれどカビには好適な環境になったのです。おかげで梅雨だけでなくて冬季でも注意しなければいけなくなりました。

カビの発生源ーそれはどこからやってくるか?

そもそもカビは土壌で棲息しています。これが空中に飛散するのです。空中に浮遊し、そして家庭の中に進入してきます。

1年の間で春と秋に多く飛散します。そして冬に減少します。

除去のための10の方法

各家庭の環境によって発生する場所に違いがありますが、除去対策には共通点があります。

次にあげる「カビ除去のための10の方法」をお薦めします。

  1. 梅雨の前、夏が過ぎた秋口に大掃除をする
  2. 浴室も含めて室内の風通しを意識する
  3. 掃除機やエアコンのフィルターを掃除する
  4. 台所・浴室に置いてある小物を日光消毒
  5. 可能ならば煮沸消毒
  6. 洗濯物はためない
  7. 押入れは風通しよくする
  8. 湿気の元になる観葉植物は増やさない
  9. 発生を予防する意識を持つ
  10. 発生源はできるだけ取り除く

カビ除去がダニの発生を防ぐ

家屋のアレルゲンには、ダニの存在も無視できません。

カビが発生すると、その場所にはダニも発生します。この両者は共存しているのです。

たとえば、ハウスダストにはカビが含まれています。もちろんダニも分布しています。カビのいる場所にはダニは棲息しているといえるので、一層の気配りが必要となります。

室内のダニ対策でくわしく知りたい方は、ダニ対策は何をどこまでやるべきか? をお読みください。

室内に多くいるカビの特徴

カビの環境中での形は胞子か菌糸です。大きさは小さいもので3~5μ、菌糸のように糸状になると数10~数100μにまでになります。

このような形で空中やハウスダストのなかにいますが、棲息しやすい環境になると発生を始め、どんどん発育していきます。そして、生命力が強いので発育しないで菌糸・糸状の形でいても数か月~数年間も生存するのです。

家庭で多いのは「クロカビ」です。空中に多く浮遊し、湿気た場所を汚す代表格です。

「アオカビ」は畳や壁、ハウスダストに多くみられます。ベニヤ板や衣類、靴にも存在しています。

「コウジカビ」は、ほこりに多くて、発生しても大きな被害はありませんが、「カワキコウジカビ」は書籍、写真、フィルム、靴を汚染します。

「ススカビ」は「クロカビ」と同じ環境で発生します。形が大きいゆえに鼻腔のアレルゲンになりやすい。

またカビと類似している酵母は、湿った環境で長く生き続けることができますが、乾燥には弱いです。

動物アレルゲンが増えている

家庭内で飼われているペットの増加にともない動物アレルギーで悩む患者も多くなりました。

動物の毛、垢がアレルゲンとなるのですが、これらを除去することも考えていきます。

動物アレルゲンと除去対策について

室内で犬や猫、ハムスターや鳥を飼っていますか? でしたら、動物の体毛、羽毛、垢、唾液、尿が要注意です。これらは寝室やリビングなどのじゅうたん、カーペット、布団に付着します。

これを人が吸引することでアレルギーが発症します。

よって抜け落ちた体毛、羽毛や垢を除去することが必要です。

ペットと一緒に寝ていれば寝具や布団に毛布、寝室にリビング、じゅうたん、カーペットに体毛などが付着しています。

ですが、からみついているので取り除くことが難しくて、吸引力の強い掃除機をかける必要があります。

簡単な掃除では、ほとんどの動物アレルゲンに効果はありません。

ですから、ペットを定期的にシャンプーなどで洗ってあげて、体毛や垢を取り除くことが大切です。

じゅうたんやカーペットをやめて、掃除のしやすいフローリングに変えることも必要でしょう。

ダニが一番、棲息しているのが寝具です。ですから、寝室にペットを入れて一緒に寝ることは避けるべきでしょう。

犬や猫をかわいがるお気持ちはよくわかります。しかし、すべてを満たすなかで病気だけを切り離して手放したいのは無理があります。

行き過ぎたペットへの接し方を見直すことも必要かも知れません。

避けたい家庭環境における化学物質と除去対策

住宅内での化学物質には、新築時に使用された建材が原因です。

ホルムアルデヒドやトリクロルエチレン、ヘキサン、トルエンなどの揮発性有機化合物は多くの新建材に使用されています。

これらは気密性の高い屋内で暴露されやすいのです。そのために健康への弊害が懸念されます。

また一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物、二酸化硫黄などといった化学物質の影響にも注意するべきです。

盲点になりやすいのがクローゼットやタンス、押し入れの中に置いてある防虫剤や脱臭剤から発生する化学物質があります。

また、服をクリーニングに出した後、ビニール袋にいれて返却されますよね。

服をずっとビニール袋に入れたまま吊っていませんか? ならば、必ず袋からだして、外で陰干しをして空気にさらしましょう。

ドライクリーニングで使用する有機洗剤を外の風で吹き飛ばしてください。

また、化粧台まわりの化粧品、香水にも気をつけましょう。

最近では「香害」という言葉も使われています。石油化学合成によってできた香りの成分がアレルゲンになって、健康に日常を暮らしにくい方が増えています。

また、住宅や家具の塗料、気化性洗浄剤などが発生する臭気が呼吸器粘膜を刺激してアレルギーのきっかけになることもあります。

室内でタバコを吸うおうちも少ないかと思いますが、タバコの煙は粒子が小さくて長期間室内に浮遊するためアレルギー疾患には有害です。

では、化学物質を除去対策です。

やはり、化学物質に触れない、さらされないようにする方法をとることが大切です

そのためには、まずもって密閉環境は好ましくありません。なるべく排気や換気に努めることです。

微粒子除去機能がある空気清浄機を使用するのも一考でしょう。そして、なりよりも家庭内から化学物質やそれを生み出す用品を減らしていくことです。

アレルゲン除去で改善がみられない場合の考え方

もし、住宅内の清掃に一生懸命にがんばっても皮膚疾患に改善が見られないならば、以下のように考え直してください。

すなわち、アトピーとアレルギーは違うということです。

アトピーはアレルギーと違ってアレルゲン(特定のアレルギーを引き起こす原因物質)がないのです

よって、アレルゲンを家屋から除去してもアトピー改善がみられないのは、そのためです。

血液検査でカビ、ペットの毛、ダニ、化学物質そしてハウスダストに陽性反応があれば、それを避けることが必要です。

しかし、そうでない場合、過度に神経質になる必要はないといえるでしょう。

特定非営利活動法人 健康管理士 渡辺勲