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【震災の最中、アトピーを治した人がいた】地震見舞いメールを頂きました。

大阪御堂筋

今月、私が生まれた地である大阪で地震が発生いたしました。

普段の備えがなくて痛ましい事故もありました。

眠れない日々を過ごされた方もおられました。

私は現在、横浜市に住んでいますが今回の地震は驚きました。

大阪は関東と比べて地震が少ないからです。

そんな中、この前のセミナーを受講して頂いた方から、こんなお見舞いメールを頂戴したのです。

「大阪での地震は大丈夫でしたでしょうか?

あと新幹線の事件もありましたが、新幹線移動だと思います

が、大丈夫でしたでしょうか?

先日はありがとうございました_(._.)_

セミナーを受けて本当に良かったです。

驚くこともあれば感動してウルウルきてしまったり…

表現が難しいですが、皮が剥けたような、新しい自分が中から出てきたような感じです。」

ありがとうございます!

この方は愛知県にお住まいです。

わざわざ新幹線で、お子様お二人とお母様と一緒に東京都内のセミナー会場にお越し頂いたのです!

なのに、かような励ましの言葉とセミナーの感想まで頂きました。

本当にありがとうございます!

これからのご活躍を切にお祈り致しております!

さて、

私がアトピーで呻吟していた頃、こんなことを考えていました。

「地震や災害が起きたら、俺は耐えられるのか」

震災では水道も使えません。お風呂に入れません。

「お風呂に入れなくなると極度に乾燥した肌はどうなるだろう」

体育館での避難生活を想像しながら憂鬱になっていました。

「普通の人の肌」ではないアトピーの私は地震が起きたとたん、人に理解されないもどかしい想いをいっそう深めてしまうだろうと考えていました。

そして、

この想像が現実になったのです。

それは冬のある日のこと。大学の先輩の家に泊まった時があって、家に着いたのが深夜だったのでお風呂に入れなかったのです。

朝起きた時、全身の皮膚が紙のようにパサパサになってしまったのです。

皮膚に湿り気も潤いも一切なくなっていました。

もう生きた心地がしませんでした。

痒みを超越したアトピーの極北の肌感覚は想像を絶しますよ。

まるでそれは全身の皮膚に接着剤のセメンダインを塗りたくって乾燥させて、カピカピになった肌が一気に萎縮していくような感覚です。

「風呂に1回入れなかっただけで、こんな辛い思いをしてしまう。俺はこれから社会人として生きていくことができるのだろうか?」

先輩の家をでた朝帰りの帰り道。いろいろ考えながら我が身の将来を憂えました。

そして、「震災が起きると俺はどうなるのだろう」と、もの恐ろしさを抱いていました。

しかし、阪神大震災があってから、何年もしてからのこと。

私はある噂を患者仲間から聞きました。

「あの阪神大震災の最中、アトピーを治した人たちがいた」

あの当時は今ほどにボランティアもなかったし、震災対応への法整備は現状よりも乏しかった。

もともと地震の少ない地域でしたから備えも十分でなかった。

被害の拡大は早かった。

炎は暴風を呼びこみ街を燃やす劫火が地面をなめていく。

灼熱に照らされながら逃げ惑う人々の中にはアトピーの方もいたでしょう。

人知を超えた危機を人はそうそう受け入れることはできない。

しかしアトピーの方たちはアトピーを治していった、ならば私はこう考えます。

ご自身の不安を感じ切って、それを周囲の人たちに言葉として伝えた。

そして、人々との紐帯を切り結んでいった。地域の方々のために生きようとされた。また地域もその方のために生きた。

だから、現状を引き受ける覚悟ができたのではないか。

もちろん綺麗ごとばかりではありませんでした。私もマスコミが報道しないことを見聞しましたからわかります。

しかし、危機だからこそ、まったく逆の共生・連帯・紐帯が生まれるものです。

裏があれば表があります。

明があれば暗があります。

「今まで見慣れた景色とは幻想だったのか」と、焼尽した街区に立ち尽くしてしまうのも人だし、

内発的な力を発揮して共同体と共に力強く前に進むのも人だと思うのです。

危機に際して力強く生きることができるのは個人を包摂する共同体が必要です。

河の中で揺れる弱い葦である人と人とが自分の心の不安を言葉にしあって相互扶助していく、そんな共同体が不可欠です。

阪神大震災の惨禍においてアトピーの方がアトピーを治していったのは、自分の心を言葉にして周りに伝えた始めた、そして仲間に包摂されていった。

レベッカ・ソルニットの災害ユートピアによると災害をはじめとした非常事態が起きた場所に仲間集団や共同体があればユートピアが成立するとされています。

ユートピアとは性別や年齢や地位を越えた助け合いや連帯がある共同体であり、だから危機を乗り越えて生き延びることができるのです。

もちろんアトピー患者も仲間に包摂されて今までアトピーの自分と他者、世界を乖離させていたけど、分け隔てがなくなっていった。

そして、何が自分にとって大事なのか? 仲間にとって何が大事か? 自分について他者との関係とは何かについて気づくことができたのではないか。そう私は考えます。

今のあなたにはあなたの心を言葉にして伝える相手・仲間がいますか?

以上、今回の大阪北部地震で思ったことです。

大阪のみなさまの一日も早い心の底からの復活をお祈りいたします。

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